失敗事例から学ぶSalesforce(セールスフォース)導入成功の秘訣
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営業の業務を効率化し、営業DX推進の要となる「Salesforce」。世界No.1の営業支援ツール(SFA)・顧客関係管理(CRM)ツールとして、多くの企業で採用されています。一方で、Salesforceを導入したものの、「運用定着せず現場で使われていない」「業務効率化や営業成果の向上につながっていない」など、課題を抱える企業様も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では「Salesforce導入失敗の原因」と「Salesforce失敗事例から学ぶ成功の秘訣」について紹介します。Salesforceを導入済みで「運用改善・成果向上の解決策」をお探しの担当者様、ぜひ参考にしてください。

目次

  1. Salesforce導入が失敗する6つの原因とは?
  2. Salesforce失敗事例から学ぶ成功の秘訣
  3. Salesforce導入における具体的な失敗シーンと対処法
  4. Salesforce活用による「営業DX」の実現

Salesforce導入が失敗する6つの原因とは?

Salesforce失敗事例を紐解いていくと、導入効果が上がらない企業には「幾つかの共通点」が見つかります。以下に失敗事例の共通点を紹介します。

  • 「Salesforceを導入すること」が目的となっている
  • 利用する現場部門の「コンセンサス」が得られていない
  • 「ワークフロー」が存在しない、決まっていない
  • Salesforceを導入したのに現場の作業量が増大している
  • データ分析やトラブルの解決ができない
  • 操作性が悪い、自社に合わない

一つずつ解説します。

【失敗原因1】「Salesforceを導入すること」が目的となっている

Salesforceは導入するだけで効果を発揮する「魔法のツール」ではありません。しっかり運用ルールを定め「営業実務のインフラ」として機能することで、初めて運用効果や成果を実感できます。

「運用ルール」や「達成したい目的」が曖昧なまま導入してしまうと、月日が経つごとに利用目的が形骸化します。導入から暫くすると、いつの間にか「Salesforceへの情報入力」が惰性で行われるだけの状態となり、Salesforceが「単なるデータベース」に留まってしまいます。

Salesforceは高機能で業務プロセス改革に大いに役立ちますが、「Salesforceを導入すること」が目的になってしまうと、利用されず失敗に終わる可能性が高まります。

【失敗原因2】利用する現場部門の「コンセンサス」が得られていない

Salesforceは現場部門の「業務負担の軽減」効果がありますが、逆に「Salesforceが業務の負担」となり、運用定着の妨げになることがあります。顧客対応に追われる現場部門にとって、大きな変化を伴う「Salesforce導入」は業務負担が上がると「ネガティブ」に捉われがちです。そのため、現場部門が「Salesforce導入・利用の反対勢力」になるケースが多数あります。

導入計画時に、Salesforceを活用し「営業プロセスの効率化」や「売上の拡大・収益性向上を目指す」意義をしっかり共有し、現場部門のコンセンサスを得ることが重要です。組織のマネージャーや部門長が「企業としてSalesforceを推進する姿勢」を示し、運用の要となる現場部門への啓蒙活動や配慮が必要です。

【失敗原因3】「ワークフロー」が存在しない、決まっていない

Salesforceを導入すると、従来のワークフローから「新たな業務を盛り込んだワークフロー」へ刷新されます。そのため、Salesforceで「どのように運用するか」詳細を詰めておかないと、導入後に運用定着しない可能性が高くなります。Salesforce機能を理解し、事前に「新たなワークフローの構築」と「部署内の運用ルール共通化」の取り組みを行います。

ワークフローや運用ルール検討の取り組みでは、以下の様な検討を行います。

  • 顧客とのコミュニケーション、日々の活動履歴、日報はSalesforce上に記録する
  • チーム内の重要連絡はメールで送信、アイデアのディスカッションや簡易な報告はSalesforceのチャットツールを使う
  • スケジュール管理、各種書類の作成・管理はSalesforce機能を使う

ワークフローの未確立は、Salesforce導入後の「業務が滞る原因」に直結します。またSalesforceのデータを「どのように分析し利用するか」の取り決めも重要です。なぜならSalesforceの抽出データを正しく分析し利用することで、「Salesforceの価値」が飛躍的に向上します。データ入力や分析の運用を含めた「Salesforceによる新たなワークフロー」を、しっかり時間をかけて構築する必要があります。

【失敗原因4】Salesforceを導入したのに現場の作業量が増大してしまう

Salesforceを導入したら、基本的には現場の業務の作業量は削減します。しかし、Salesforceを導入したことによって、作業量が増えてしまうことがあります。

これは、Salesforceで自由に入力項目を設定できることが原因です。より詳細な情報を取れるように、必要以上に細かい分類を行い、入力項目を増やしてしまうことで起こります。Salesforceを設計するときは、最低限の入力で済むようにすると、このような失敗を防ぐことができます。

【失敗原因5】データ分析やトラブルの解決ができない

Salesforceに蓄積されたデータをどのように分析するか、その分析結果をどのように活かすかで、Salesforceの真価が問われます。しかし、正確にデータ分析できる人がおらず、Salesforceを使いこなせていない場合もあります。
また、Salesforce上で何かトラブルが発生したときに、解決できる人が誰もいないというケースもありがちです。機能面でのトラブルは、メーカーやベンダーに相談すれば解決できますが、問題となるのは運用面でのトラブルです。
運用面については、自社の会社の規模やビジネスモデルによって変化していますし、社内のルールもあるので、社内の誰かが担当者として動かなければなりません。解決するには、社内で「アドミニストレーター(管理者)」や「インフルエンサー」を育てるなどが必要です。

【失敗原因6】操作性が悪い、自社に合わない

目的の画面にスムーズに辿り着けない、メニューやボタンの配置がわかりにくいなど、UI(ユーザーインターフェース)が優れていない場合も、Salesforceの導入失敗につながります。
Salesforceには、30日間の無料トライアル期間があります。できる限りこのトライアルを利用して、「導入してみたら、思っていたものと違う」とならないようにギャップを埋めましょう。
なお、Salesforceには高い拡張性があるので、費用さえ許せば、ボタンの位置や色などを変更することも可能です。予算や使いこなせるかどうかを検討してみたうえで、拡張機能を導入し活用してみてください。

Salesforce失敗事例から学ぶ成功の秘訣

Salesforce失敗事例を踏まえ、Salesforce導入を成功に導く「5つの秘訣」を紹介します。

Salesforce導入を成功に導く「5つの秘訣」
  • Salesforceを導入する目的を決める
  • Salesforceで「データを一元化」する
  • 標準機能を最大限活用し、「必要な部分のみ」カスタマイズする
  • Salesforceの運用マニュアル(ガイドライン)を作成する
  • 社内で「アドミニストレーター(管理者)」や「インフルエンサー」を育成する 一つずつ解説します。

Salesforceを導入する目的を決める

Salesforceを導入するときは、「何のためにSalesforceを使うのか」「それによって、どのような利益があるか」を明確にしましょう。そのとき、現場のメンバーにも目的や想定されることを共有して、Salesforceの導入に賛成してもらうことが大切です。
現場のメンバーに共有するときは、次のようなメリットを説明すると理解が得られやすくなるでしょう。

  • 顧客情報を一元管理できる
  • 効率的で生産性の高い営業活動ができる
  • ツールをカスタマイズできる

Salesforceで「データを一元化」する

社内に散在するデータや、Excel管理のデータをSalesforceへ集約し、「データの一元管理」を行います。Salesforceはデータが蓄積されるほど、「精度の高い傾向分析」や「データを活かした戦略検討」が可能です。

従来の使い勝手を優先し、Salesforce導入後も「Excelの管理業務」を併用するケースがあります。その結果「ExcelとSalesforceの二元管理」を引き起こし、運用定着の妨げや導入効果の低下につながるのです。

データ管理を複数のツールで行うことは、「更新やメンテナンスの手間」を増やすことになります。データ管理・登録をSalesforceに集約し、データの一元化を進めましょう。

標準機能を最大限活用し、「必要な部分のみ」カスタマイズする

Salesforceは「顧客情報」「商談管理」「レポート・ダッシュボード」など、充実した標準機能を備えます。Salesforceのサポートやバージョンアップは「標準機能が対象」となり、機能追加や機能改善の恩恵を受けるには、標準機能の有効活用が欠かせません。
Salesforceの使い勝手向上のため、独自の「カスタマイズ」を行うケースがあります。「カスタマイズ」は機能性を高める一方、追加開発を重ねることで「構造が複雑化」しやすく、運用の複雑化やバージョンアップの妨げになることもあります。カスタマイズ部分はSalesforce保守対象外となり、自社での管理が必要なため慎重に検討しましょう。
自社業務にフィットするよう、カスタマイズで「Salesforce運用を最適化」したい場合、業務コンサルティングやカスタマイズ部分のサポートが可能な「外部のプロフェッショナル」に相談することをおすすめします。

Salesforceの運用マニュアル(ガイドライン)を作成する

Salesforceの運用マニュアルは事前に作っておくようにしましょう。蓄積された顧客データをどのように利用するかも合わせて決めておくとよりいいでしょう。もちろん、最初から完璧なマニュアルを作る必要はありません。問題や課題が出てきたときに、再検討を行い、より良いマニュアルを作成します。
Salesforceのベンダー企業に導入支援を依頼している場合には、一般的な運用マニュアルを準備している場合が多いので、一度問い合わせてみてはいかがでしょうか。

社内で「アドミニストレーター(管理者)」や「インフルエンサー」を育成する

Salesforce運用定着のため、社内の相談窓口を務める「アドミニストレーター」と、活用促進の役割を担う「インフルエンサー」を育成します。アドミニストレーターやインフルエンサーにSalesforceの良さを実感してもらい、彼らの影響力を用いて波及効果を広げ、「社内にファンを増やすこと」が成功の近道です。

Salesforceに詳しいアドミニストレーターを育成することで、導入後の「トラブル相談窓口」や、操作方法が分からない時の「問い合わせ先」になり得ます。

アドミニストレーターやインフルエンサーの社内育成が「人員的」「時間的」に難しい場合、Salesforceコンサルティングパートナーへの依頼を検討しましょう。パートナーに支援を仰ぐことで、「社内に無いノウハウの享受」や「立ち上げ期間の短縮」など、Salesforce導入プロジェクトが加速します。

Salesforce導入における具体的な失敗シーンと対処法

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ここではSalesforce導入に際し、実際によくある失敗シーンとその原因について解説します。

失敗例1:「せっかく導入したのに既存システムを相変わらず使う社員が多く、Salesforceへの移行や活用がなかなか進みません」

Salesforceを導入した後も、今までどおりにExcelでローカル端末ごとに管理しているなど、既存のツールやシステムから離れられないケースです。

【原因】
・現場に導入メリットが周知されておらず、導入後のビジョンも明確でない。
・実際にSalesforceを使う現場の従業員と関わりなく、上層部の考えで導入してしまった。

【対処法】
現場の意見をまずヒアリングし、導入のメリットを周知させます。またどのような機能が必要か、どのデータから移行していくかなど、外部ベンダーの意見も聞いて、スムーズな導入計画を策定する必要があります。

失敗例2:「導入したシステムを、従業員が製造現場で使いこなせていません」

【原因】
・従業員に対する十分なトレーニングが行われず、システムの使い方が理解されていない。
・システムが過度にカスタマイズされ、ユーザーが使いこなせない状態になっている。現場の実情に合ったツールが設定されていない。
・そもそも、機能に対する調査を十分に行っていなかった。
・現場で使用していてトラブルが起きても、どうすればいいかわからない。

【対処法】
必要なツールを実装し、実際に使う従業員のための勉強会を開くなど長期的に計画を立てて使用を進めていくとよいでしょう。導入前にはSalesforce自体の調査も行い、無料トライアル期間に実際の使い勝手を知る必要があります。またトラブルが起きた場合の解決手段をどうするか、社内でIT担当部署をつくるか、その業務を外注するか決めて準備しておく必要があります。

失敗例3:「部署間での情報共有やデータ連携ができません」

【原因】
・システム間のデータ統合や連携が複雑すぎて使えない。
・既存データの品質が低いため、Salesforceのメリットが生かし切れていない。また移行の範囲が不明確で、実際に一元化ができているかも把握できていない。
・部門間のコミュニケーションが不足し、データ共有のプロセスが確立されていない。
・部署ごとにSalesforceの活用について理解度に差がある。もしくはITリテラシーの低い部署がある。

【対処法】
企業全体、少なくとも情報連携が必要な部署複数ではSalesforceをメインで活用する体制に整える必要があります。移行前にはすべてのデータの棚おろしを行って、一元管理に向けて周知徹底が重要です。
部署内にSalesforceを使いこなせる社員を配属して、スムーズな連携ができるようにしておくことも大切です。ただし、そのような社員が少ない場合は、Salesforceに関する業務が一部の社員に集中してしまい、業務の妨げになるおそれもあります。

以上、これらの失敗例を避けるためには、プロジェクトの計画、適切なトレーニング、実際に使用する従業員のフィードバックを受け入れ改善していく文化の構築など、綿密な準備と適切なサポートが必要です。

Salesforce活用による「営業DX」の実現

Salesforce導入失敗の原因は、「導入目的の不明確さ」「現場とのコンセンサス不足」「ワークフローの未確立」「従業員の教育不足」「IT化を推進できる社風など企業全体の文化の改善ができていない」などが挙げられます。

これらの課題を解決し、Salesforce導入を成功させるには「経験豊富なベンダーのサポート」が欠かせません。お客様と課題や目的を共有し「伴走するビジネスパートナー」として、二人三脚でプロジェクトに取り組むことで成功確率が高まります。

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