課題・要望
- 従来よりも上流のDXソリューションを提供するため、ミドルウェアのレイヤーまでカバーする必要があったが、人的リソースが不足していた
プロジェクトの推進だけでなく、ともに組織力を強化するパートナーとして
解決策・効果
- ニーズに対して的確な技術を持つエンジニアのチームを迅速に編成することで、プロジェクトのスムーズな進行に貢献
- 営業担当者のきめ細かく親身なフォローでチームのモチベーションをコントロールするとともに、CCTの人材調達力を活かして切れ目のない支援を実現
インタビュー
高品質の製品を24時間365日ノンストップで生産する現場で培われてきた技術・ノウハウを、システムのライフサイクル全体にわたって展開するインテグレーション力を強みとしている日鉄ソリューションズ(NSSOL)。飽くなき進化を続けているのも特長で、2016年には「Humans(ヒト)」と「Things(モノ:機械・製品など)」を高度に連携・強調させる「IoX(Internet of X。Xはヒトとモノ)」を提唱しています。単なるIoTにとどまらない「IoXソリューション」とは、いったいどのようなものなのか、それを推進するうえで業務委託先に期待するものは何か、IoXソリューション事業推進部専門部長の畠山康博さんにお話を伺いました。
―NSSOLさん独自のソリューションである「IoX」とは、どのようなものなのでしょうか?
IoXという概念が生まれたのは、NSSOLの成り立ちと大いに関係があります。NSSOLは現在、コンサルティングから設計、開発、テスト、運用に至るまで、システムのライフサイクル全般を通してお客様に様々なサービスを提供していますが、もともとは日本製鉄(旧:新日鐵住金)の情報システム部門から発展した会社ということもあり、常に現場の作業者の目線を強く意識しています。 IoTはモノとモノがインターネットでつながることですが、製造業だけでなく多くの現場は、機械や製品などのモノと「Humans(ヒト)」で支えられています。それらを含めたすべて(X)をインターネットでつなぐことで、生産性を最大化するというのがIoX(Internet of X)のキーコンセプトです。
―具体的にはどのようなソリューションを手がけているのですか?
たとえば作業者の安全を見守るソリューションや、機械が故障する前にアラートを発する予知保全ソリューションなどの開発に取り組んでいます。お客様によって、また、現場によって抱えている課題はそれぞれ異なりますので、適切にカスタマイズしたアプリケーションやプラットフォームを提供しています。そこで重要になるのが、現場作業者の目線です。ただテクノロジーを提供するのではなく、お客様にしっかりと寄り添い、「地に足をつけた」ソリューションを提案することが大切だと考えています。 そのため、現場にエンジニアがしっかりと入り込んでニーズを見極め、より高いユーザーエクスペリエンス(UX)を提供していくスタイルを取っています。
―ということは、開発を担うエンジニアにも製造業をはじめとした、顧客の業界に対する知識が求められるということでしょうか?
必ずしもそうとはいえません。むしろ重視するのは、「聞く力」です。もちろん、お客様の業界・業種について、最低限の知識を持っていることは必要です。しかし、それを過信してしまうと、お客様のニーズが掘り起こしきれないリスクがあります。 実際に、一見すると「素人質問」のように聞こえるものでも、お客様自身が気づいていない潜在的な課題の掘り起こしにつながるケースもあります。大切なのは、きちんとしたコミュニケーションを行ったうえで、丁寧にお客様の課題を見つけていこうとする姿勢です。
―その方針は、IoXソリューションの特性とも関係していますか?
はい、密接に関係しています。IoXだけでなく、一般的なIoTソリューションもそうだと思いますが、お客様とのコミュニケーションによって得られた情報をどのように活用するかで、ソリューションがもたらす効果も変わってきます。弊社のソリューションはいずれも、ステップ・バイ・ステップで少しずつ成長させていくことができるシステムを基盤としているので、ただアプリケーションやプラットフォームを設置するだけでなく、より効果を発揮できるように、適切なコミュニケーションを通じて情報提供などの支援を続けることが重要です。
―「納品したら終わり」ではないということですね。
はい。弊社も以前は、インフラ、サーバ、ネットワーク、ストレージといった「基盤屋」と呼ばれるようなエンジニアへの需要が高かったのですが、最近では、アプリ開発を含めたミドルウェアのレイヤーまでカバーでき、担当するシステムの将来まで見据えたアーキテクチャーを考えられるエンジニアが必要になってきました。そのレイヤーでは、運用段階で起きるトラブルにも適切に対応しなければなりません。ところが、IoXソリューション事業推進部は2016年に立ち上がった部署で、従来よりもさらに高い品質を求めていることもあり、リソースに乏しいのが大きな悩みでした。そのため、CCTさんとSES契約を結ぶことができて非常に助かっています。
―CCTへの依頼の決め手となったのは、どんな部分でしょうか?
まず、弊社が求めるレベルにマッチした、幅広い技術領域に対応できるエンジニアのチームを的確にご提示いただいたのが大きかったですね。しかも、打ち合わせの翌日には具体的なご提案をいただくなど、対応も非常にスピーディでした。今は、いくつかの案件をお願いしていますが、プロジェクトマネージャー、スクラムマスター、デザイナーとまさに幅広い技術を活かして、コンサルティングの領域でも活躍いただいています。
―現場での対応についてはいかがでしょうか?
スピード、感度とも申し分ありません。開発中のトラブルの際などには、情報をキャッチアップして可能な限り早めに対策を打つ必要があるわけですが、そのようなケースではエンジニアの方々のみならず、営業ご担当者も含め、きちんと状況を共有して適切に対応いただいています。 また、私をはじめとする弊社のメンバーも、各チームのエンジニアの方々とコミュニケーションをとっているわけですが、対面ではなかなか聞けない内容もあります。そういったときにも、CCTさんの営業ご担当者がいろいろな情報を提供してくれたり、対応方法についての相談に親身になってくれたりと、きめ細かい後方支援をしてくださっています。
―これまでも、パートナー企業との連携は多くなさっていると思いますが、CCTの提案は御社の課題解決につながっていますか?
IoXソリューション事業推進部は歴史が浅いこともあり、まだ人数も少ない状態ですので、パートナー企業さんとの間に大きな問題が発生したケースはありません。ただ、人材の流動性は高まっており、体制を維持することの難しさは感じています。もちろん、エンジニアのみなさんがご自分のキャリアアップを考えて動くのは、エンジニアという職種自体のクオリティを底上げする意味でも良いことだと思います。むしろ、そういった前向きな、新たなことにチャレンジしたいというマインドセットを持った方々に対し、SIerとしてどのような環境を整えられるかが重要です。そして、エンジニアの先々のキャリアを一緒に築いていけるような存在になる必要があると考えています。 そういった意味で、パートナー企業さんのサポートは不可欠ですし、CCTさんにはクオリティの高い組織を維持するために色々と提案いただき、助かっています。
―ありがとうございます。最後に、今後のビジョンについてお聞かせください。
マーケット全体を見ると、DXのニーズが広がっている状況ですので、より上流のDXビジョンを提案できる存在にならなければならないと思っています。そのためには、大きな構想をご提案できるコンサルティングのレイヤーから、データ分析、機械学習といった分野まで対応していかなければなりません。そうした意味でも、海外人材を含めてバリエーションに富んだエンジニアを豊富に抱えているCCTさんには大いに期待しています。