プラチナ構想ネットワーク、森林循環経済を目指す「ビジョン2050」のロードマップを公表

一般社団法人プラチナ構想ネットワークは7月9日、「ビジョン2050 日本が輝く、森林循環経済」のロードマップを発表した。同団体は2022年、「プラチナ森林産業イニシアティブ」を発足させ、2023年5月に同ビジョンを公表。ロードマップの主な柱は、「産官学民の総力を挙げて森林循環経済を実現」、「リサイクル&バイオマス化学の早期立ち上げ」、「木造都市の加速」、「儲かる林業の実現」である。

  • 「森林循環経済の実現」には、民間企業の努力と政府の総合的な推進が不可欠であり、特に地方公共団体の協力や市民の理解が求められていると指摘。
  • 「リサイクルやバイオマス化学の早期立ち上げ」には、技術開発と実証から実用化への迅速な推進が重要。既存設備の活用、効率的な体制構築、コスト高対策が必要であり、税額控除や補助金、カーボンプライシング等による市場創出策の具体化も求められる。
  • 「木造都市の加速」には、非住宅の施主や建築事業者への木造化のメリット訴求が重要となる。木造建築物の耐用年数の見直しや、国産木材製品のCO2固定量の認証とSHK制度(温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度)でオフセットする新たな制度の創設が求められる。また、建築基準法の改正による建築部材強度の見える化やJAS材の普及が鍵を握る。
  • 「儲かる林業の実現」には、木材需要の拡大と生産性向上が必要であり、主伐・再造林を前提とした大規模な施業面積の確保や地域主導のバリューチェーン構築が求められる。本モデルでは、10万㎥/年の原木集材や40年サイクルでの主伐・再造林を提案し、木造都市やバイオマス化学との連携も視野に入れる。

同団体は、2035年までにパイロット事業を展開し、2035年以降に本格的な事業展開を行うことを計画。2050年には、ビジョンで定めた目標である木材自給率100%、化生品の化石資源由来0%、9階建以下建物の木造化・木質化100%、林業の再造林率100%の達成を目指す。

今後はモデルケースを設定し、従来の化石資源を活用したケースと比較したLCA(ライフサイクルアセスメント)や地域経済波及効果を試算する予定だ。

【プレスリリース】「ビジョン2050 日本が輝く、森林循環経済」-ビジョン実現に向けた推進戦略とロードマップ-の公表
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※この記事は、2024年7月にリリースされた Circular Economy Hubからの転載です。

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